国債暴落時の価格と金利の動き
価格暴落が懸念される日本国債と米国債
国債価格と金利は反対の関係にあると言われています。つまり、金利が上がれば価格は下がり、金利が下がると価格は上がるのです。
現在、暴落が懸念されている国債が2種類あります。
日本国債と米国債です。
日本国債は国債の金利すら支払えなくなるのではないかといわれ、米国債は膨れ上がる対外債務とサブプライムローン問題が尾を引いているといわれています。
このふたつの国債について見ていきましょう。
日本国債が暴落した場合の通貨、株式への影響
日本国債暴落で、預貯金に人気殺到?
国債が暴落するときは、金利が上昇しているはずです。破綻した国家の国債はみなそうなりました。
国債価格が暴落しているということは、それだけ国債が不人気になっているとわけです。そんな場合に国債を買ってもらうなら、国債価格は下げ、国債の金利を上げないことには、誰も見向きすらしなくなります。
そして、変動金利である預貯金の金利が、どんどん高くなっていくので、資金は預貯金へ流れるでしょう。
このようなときに、国債を買ってはいけません。 後から発行される国債の方が金利が高くなるからです。
一度、国債を買ってしまえば、そのときの固定金利が、この先ずっと続くことになりますし、 国債市場で売却しようとしても、低い金利の国債価格は安くなるものです。
米国債が暴落した場合の通貨、株式への影響
次に米国債が暴落した場合の影響を考えてみましょう。実際、米国の通貨と株価は、すでに下落しています。ドル円相場の円高がその現れです。
米国債が暴落するとマズイのは、何も米国だけではありません。日本の金融機関や生保会社もたくさんの米国債を買い込んでいます。資産価値が半減するので、株式を上場していれば、これらの株価は暴落するといわれています。
米ドルは暴落して、円高傾向になります。1ドル=60円を切っていく時代が到来しないとはいえません。
このように、株式では金融株は警戒、そして通貨ではドル売り、が基本方針となるでしょう。
国債暴落を警戒するなら、為替の動向に注目せよ!
国債の暴落には2種類あるといいました。
日本国債が暴落する場合は、円の信用がなくなるわけですから円安に、米国債が暴落する場合には、米ドルが暴落することで、円高になります。
いずれも、為替市場の動向を無視できません。
もし、国債に関心があるなら、為替市場を監視する意味合いも含めて、1口座だけFXの口座を持ってください。暴落時に対処するためです。
実は、FXには、1日ごとに金利が付くこともあって、国債とよく似た商品構造になっています。
うまく取引すれば、国債なみの安全性を保ったまま金利を貯めることができます。
外貨を購入することは、為替変動の影響を受けるということです。円高になれば、為替差損が発生しますが、通貨を買って持っている限り、毎日、金利を得られます。そして、得られた金利が蓄積されると、為替差損を埋め合わせてくれることになるのです。
もちろん、円安になれば、為替差益が得られます。
1オーストラリアドルが、わずか30円になることがありえるのかといえば、これは極端な例でしょう。
FXの金利は高くなることもあれば安くなることもあります。ひょっとしたら、100円を超えるような金利になるかもしれません。それはともかく、同じ金利を得られる商品で、為替動向を見守るためにも、FXは持っていて損はない商品だといえるでしょう。
国債が暴落するケースはその発行元たる政府が倒れることです。債務があまりにも多いと、政府は破産しやすくなります。そうすると、他国はその国の国債を買いにくくなります。当然、国債価格は安くなっていきます。高いと誰も買わなくなるからです。そして、買ってやるからには利率を高くしろ、というのが買主からの要望になります。 現在、国債の暴落が囁かれているのは、どこでしょうか? 日本は債権国なので例外です。確かに国債の発行高も多いのですが、国民が(正確には金融機関が預貯金で購入している)買主のために、外国へ流れたり、いっせいに売り崩されたりすることはありません。 むしろ、債務国のアメリカのほうが心配なわけです。 アメリカの国債は暴落、はしていないものの先行きは不穏な動きをしています。長期金利が上がり始めているからです。金利の上昇は債券価格の暴落圧力となります。日本や中国は、アメリカの国債を山のように買っているので大量の債権を持っているといえます。返してくれという権利ですね。ところが、ここで円高ドル安になってしまうと、対外債務が減るのでアメリカにとっては大喜びなわけです。輸出競争力だって回復できるわけです。 日本国債は預貯金と並ぶほど安全ですが、儲かるかというと、預貯金より少しだけマシという程度でしかありません。米ドルの暴落に備えるという意味では、FXなどを通じて為替を売っておくことです。